刺身を食べる時に必ずと言っていいほど添えてある青じそ(大葉)。
刺身にちょっとのせて食べるおろしわさび。
蕎麦についてくる刻みねぎ。
天ぷらに添えてある大根おろしとおろししょうが。
こんな食事の光景は、よく目にしますよね?
そこに共通しているものは何でしょうか?
それは「薬味」です。
「薬味」とは何でしょう?
なぜ薬味はそこに添えられているの?
薬味にはどんなものがあるの?
薬味はどうやって食べればいいの?
このサイトではそんな素朴な疑問にお答えします。
薬味を知ればもっと食生活が豊かになる。
そんな薬味のチカラをぜひ知ってください。
薬味ってどんなもの?
薬味」という言葉はどこから来たのでしょうか?
中国の1〜2世紀頃に書かれた「神農本草経」という書物に、「五味」という言葉が出てきます。
「五味」とは食物の持つ味のことで、「甘味」「苦味」「酸味」「辛味」「塩味」の5つの味のことです。
その書物から、食べ物の味にはそれぞれの味ごとに効能があり、それを考慮して食べ物を食事に取り入れていくことが重要であるという考え方が既に2000年も前にあったということが分かります。
「薬味」という言葉が生まれた背景には、この効能を考えて食生活に生かすという「五味」の考え方があるようです。中国では、漢方という医学が発達しており、薬味として使われている野菜が生薬として使われていたということも「薬味」という言葉が生まれる要因のひとつになったのかもしれませんね。
薬味と似た言葉で「加薬」という言葉があります。
この「加薬」とは炊き込みご飯のひとつ「かやくご飯」やうどんの具の「かやく」と同じものを指します。
「加薬」も料理に添えてその味を引き立てる効果のあるものという捉え方をすれば、「薬味」と「加薬」はほぼ同じような意味合いを持つ言葉として使われていたのではないでしょうか。
また、一説では、「加薬味」という言葉があり、略されて「加薬」「薬味」と呼ばれるようになったのだという説もあります。現在では、「薬味」という言葉の方が広く用いられているようです。
薬味の役割
料理に薬味を添えるのは何故なのでしょうか?
薬味が料理に用いられるようになったのは、薬味の持つ効能と深い関係があると考えてよいでしょう。
そのような効能を持つ薬味の役割としては次のようなものが考えられます。
1.薬味の香りで食欲増進!
2.薬味の香りと成分が肉や魚などの素材の臭みの抑制と味の調整!
3.薬味の殺菌作用で食中毒の予防!
4.薬味の持つ色で彩りアップ!(見た目でも食欲増進!)
5.薬味と食材の相乗効果で風味がアップ!
薬味とマクロビオティック(マクロビ)
最近流行の健康食法に「マクロビオティック(略してマクロビ)」という考え方があります。
「マクロビオティック (Macrobiotic)」とは、「マクロ(macro)」と「バイオ(bio)」と「ティック(テクニック/technic)」の造語です。日本語に訳すと「正食」「穀物菜食」となります。
「マクロビオティック(マクロビ)」は、「穀物や野菜」を中心とした自然に近い食生活を行うことを指します。
その特徴としては、「玄米や雑穀を主食とする」「化学調味料や精製された砂糖を使用しない」「肉類や乳製品を食べない」「農産物は有機農法などで栽培された安全なものを使用し、根や皮なども使って調理する」ということなどがあります。
この最近流行の健康食では、野菜を基本として、化学的なものを排除した食を良しとしています。
そのような健康食にも薬味はピッタリですよね。
肉や乳製品を使わないので、動物性タンパク質はおのずと魚や貝類が中心となりますし、薬味の出番は多いことでしょう。また、味付けも砂糖や化学調味料を使わない食の味のアクセントとして薬味を取り入れることは、味の面でも健康への効果の面でも効果的だと考えられます。
薬味は自然食にはもってこいの食材といえるのではないでしょうか。
薬味のチカラ
薬味には、様々な効能が隠されています。その効能を料理の中にうまく取り入れることは、健康的な生活を送るのにとても効果的なことです。日常の食生活に心がけて薬味を取り入れるように心がけたいものです。
ねぎやしょうが、大根などは気軽に手に入れられる食材ですし、常備して料理の薬味として使うことから始めてみてはいかかでしょうか?
ただし、薬味が体に良いと言っても、摂り過ぎると薬味の効果が強過ぎて、逆に体に良くない場合もあるので量には注意が必要です。
当サイトで重点的に取り上げた薬味の効能を一覧表にまとめてみました。