薬味のチカラ

麺や豆腐の薬味にピッタリ!老化防止効果もある栄養価の高い食品です【ごま】

「ごま」と言えば、健康に良い食品として、ごまの持つパワーが注目を集めていて、テレビなどでもごまから作られた健康食品がよく紹介されていますよね?
ごま(胡麻)は、日本では古く縄文時代から食べられていたという位、日本人が昔から食べてきた食品で、薬味として使う時は主にすった状態で使うことが多いようです。

ごま(胡麻)ってどんなもの?

黒ごま

黒ごまは、他のごまに比べると比較的大粒で、香りが強く、脂質は若干少ないのが特徴です。
また、黒ごまはカルシウムも豊富と言われています。黒ごまの色は外皮の色で、その黒い色の色素はワインなどにも含まれているアントシアニンです。日本では、東日本の人が黒ごまを好んで食べると言われています。
赤飯にかけたり、団子の餡に使ったりするのはこの黒ごまが一般的です。

白ごま

白ごまは、どちらかと言うと、小粒のものが多く、脂質が多めなのが特徴です。 そのため、ごま油の原料として使われることが多いです。白ごまの外皮の白い色はカルシウムの色です。 白ごまには、ほのかな甘みがあり、その上品な色合いとともに料理のアクセントに使われることも多いようです。日本では、西日本を中心に白ごまを好んで食べると言われています。

金ごま(黄ごま・茶ごま)

黒ごま、白ごまと比べると流通量は少ないですが、最近人気が出てきているのが金ごまです。
金ごまの他、その色合いから「茶ごま」「黄ごま」などという名前でも呼ばれています。
金ごまは、ごまの中でも最も脂質の含まれていて、ごま(ゴマ)の特徴である香りやコクも金ごまが抜き出ています。そのため、「金ごま」という名称を前面に押し出した製品も多く見られます。
ただし、現在流通している量はほんのわずかなので、その分値段も高くなっています。金ごまはトルコで栽培されていますが、金ごまの人気が高まってきていることもあり、日本国内での栽培も少しずつ増えてきています。

ごま(胡麻)の旬

日本では、ごまの栽培は温かい地域で行われていて、種まきの時期は4〜6月で秋に収穫をするので、ごま(ゴマ)の旬は種子の収穫時期とも言える秋ということになります。

ごま(胡麻)の産地

日本で流通しているごま(ゴマ)のほとんどは外国からの輸入に頼っています。
世界のごま(ゴマ)の産地は、インド、中国、スーダン、エチオピア、ミャンマー、パキスタン、ナイジェリアなどです。日本は世界の最大のごま(ゴマ)輸入国です。現在日本のごまの消費量の99%は輸入に頼っていると言われています。そんな残り1%というわずかな日本国内のごまを生産しているのは関東以西の地域が多く、茨城、群馬、静岡、愛知、三重、岡山、鹿児島などです。日本のごま(ゴマ)生産量の日本一は鹿児島県で、中でも喜界島の白ごまが有名です。日本国内では栽培のしやすい黒ごまが多く、次いで最近人気の出てきた金ごまの栽培が多くなっているようです。

ごま(胡麻)のチカラ(効能)

ごま(ゴマ)には、たくさんの栄養素が含まれていて、中国ではごま(ゴマ)のことを「食べる丸薬」と呼ぶほど栄養価値が高い食品で、日本では健康食品としてもよく知られています。
ごま(ゴマ)には、タンパク質、各種ビタミン、脂質、カルシウム、食物繊維が豊富に含まれています。
これらの成分が含まれていることによって、高血圧、貧血、便秘、冷え性、夏バテなどの症状の緩和や改善する効果や老化を防止する働きもあり、昔から薬代わりに使われていたという経緯もあります。
ごま(ゴマ)に含まれる脂質には、リノール酸やオレイン酸といった血中コレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸が含まれています。ただし、ごま(ゴマ)の成分のほぼ半分は脂質という性質上、ごま(ゴマ)はカロリーも高いため、摂り過ぎには十分気をつけましょう。
また、ごま(ゴマ)は硬い殻(外皮)に覆われているので、そのまま摂取するとせっかくの栄養性分が吸収されずに消化されてしまうため、すりつぶすなどして、摂取されやすい形で食べるのが効果的です。

《セサミンって何?》
ごま(ゴマ)に含まれる成分のひとつとして「セサミン」という言葉を耳にしたことはありますか? よく耳にはするけれど、このセサミンって何?と思っている方も多いかもしれませんね。 ごま(ゴマ)にはゴマリグナンという抗酸化物質が含まれています。 抗酸化物質は、人間の体に悪影響を及ぼす(老化の原因になる)活性酸素を除去する働きがあると言われています。ゴマリグナンに含まれている成分のほぼ半分を占めるのが「セサミン」という物質です。 セサミンは、肝臓の機能を高める働きをするので、アルコールの分解にも有効なので、二日酔いなどの症状にも効果的です。ビタミンEとセサミンを一緒に摂ると、体への吸収の度合いが高まります。

ごま(胡麻)の使われる代表的な料理

ごま和え、ごま豆腐、坦々麺、棒々鶏、冷汁、ごま団子

ごま(胡麻)の加工食品

ごま油、ごま豆腐、練りごま、ふりかけなど

ごま(胡麻)を薬味にするとピッタリ!の料理

・そうめん・・・めんつゆにすりごまを入れて。
・うどん・・・ざるうどんなどのタレにすりごまを入れて。
・ところてん・・・白ごまをすりおろして。
・冷奴(おすすめ!大豆に含まれるビタミンEと好相性!)・・・すりごまをかけて。
・納豆・・・すりごまをかけて。
・焼肉・・・白ごまをタレに入れて。
・トンカツ・・・白ごまをすりおろしてソースと一緒に。
・赤飯・・・黒ごまを塩と混ぜてごま塩を作り、ふりかけて。

※ごま(ゴマ)を薬味として使う時は、すりごまの状態で使うと、香りも味わえて、体にも吸収されやすくなります。

薬味レシピ〜ごま(胡麻)〜

ごま和えのレシピ

ごまを使った代表的な料理と言えば、「ごま和え」です。
ごま和えのベースさえ作ることができれば、野菜は何でも合う万能の料理と言ってもいいでしょう。ごま和えに合う野菜は、ほうれん草などの葉物野菜やいんげんなどの夏野菜などです。

【ごま和えの材料】
2人分
 【ごま和えの作り方】
野菜・・・適量
ごま・・・大さじ2
※時間のない時はすりごまでもOK
砂糖・・・大さじ1/3
みりん・・・大さじ1/2
しょうゆ・・・大さじ1/2
  1.野菜は塩茹でして、水気を切って、食べやすい大きさに切っておく。

2.ごまをフライパンなどで空炒りして、すり鉢でする。

3.2に砂糖、みりん、しょうゆを入れて、よく混ぜる。

4.3に1の野菜を入れてよく絡めて出来上がり。

薬味豆知識 〜ごま〜

「ごまかす」は「胡麻かす」?!

物事を曖昧にしてお茶を濁したり、実際とは違うように見せかけたりして欺くような行動のことを「ごまかす」と言いますよね?
この「ごまかす」という言葉の由来の説のひとつにこの「ごま(ゴマ)」が関係していると言われています。
その「ごまかす」の語源のごま説にも2通りあるようです。
ひとつめは、江戸時代にあった「胡麻胴乱」というお菓子が語源であるというものです。
江戸時代のこのお菓子は、小麦粉にごま(ゴマ)を入れてこねたものを焼いたものでした。
胡麻の香りがしておいしそうだけれど、食べてみると中身が空っぽなので、見かけは良いけれど中身が伴っていないもののことを「ごまかし」と呼ぶようになり、それが転じて「ごまかす」という言葉になったということです。
もうひとつは、料理にごま(ゴマ)を入れると、料理の味が良くなることから、味を化かすという意味から「胡麻化す」となり、そこから「ごまかす」という言葉が生まれたというものです。